
口座にお金を入れたあと、もし取引所が潰れたら全部なくなるの?
それが怖くて、なかなか口座開設できません…
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- コインチェックが潰れたら、預けたお金はどうなるのか
- お金が守られる3つの仕組み
- 実際に取引所が破綻したときの例
- リスクと、自分でできる対策
暗号資産に興味はあっても、取引所にお金を預けるのが不安だと感じている人も多いのではないでしょうか。
ニュースで「取引所の破綻」「ハッキング」と聞くと、手が止まってしまうかもしれません。
結論から言うと、国内の登録業者が潰れても、預けた資産はすぐにゼロにはなりません。
法律で、利用者の資産を会社のお金と分けて管理するよう決められているからです。
この記事では、Coincheck(コインチェック)を例に解説します。
お金が守られる仕組みと、それでも残るリスクを順番に見ていきましょう。
読み終えるころには、何が守られて何が守られないのかを、理解できるようになります。
コインチェックが潰れたらお金はどうなる?

コインチェックが潰れても、預けた日本円や暗号資産は原則として返ってくる仕組みになっています。
「潰れたら全部なくなる」というイメージは、法律が整う前の話です。
2014年に大手の取引所が破綻したころは、利用者の資産を分けて管理するルールがありませんでした。
いまは国内の登録業者に、次の2つが義務づけられています。
①会社のお金と分けて管理されている
国内の暗号資産交換業者は、資金決済法という法律で、利用者の資産を自社の資産と分けて管理するよう義務づけられています。
これを「分別管理(ぶんべつかんり)」と呼びます。
会社の経営が苦しくなっても、利用者の金庫には手をつけられないようになっています。
分けて管理されるもの
- 入金した日本円
- 購入した暗号資産
- 送金で受け取った暗号資産
②倒産しても優先して返してもらえる
もし取引所が倒産した場合、利用者は預けた暗号資産について、ほかの債権者より優先して返してもらう権利を持っています。
この権利を「優先弁済権(ゆうせんべんさいけん)」といいます。
会社にお金を貸していた銀行や取引先よりも、利用者が先に返してもらえるということです。
つまり、分けて管理された資産は、そのまま利用者に戻される前提で守られています。
お金が守られる3つの仕組み

分別管理を実際に守らせるために、法律と金融庁のルールで3つの仕組みが用意されています。
日本円・暗号資産・チェック体制の3方向から、順番に見ていきましょう。
①日本円は信託銀行などに預けられている
利用者が入金した日本円は、取引所の口座ではなく、信託銀行や信託会社に預けなければなりません。
信託(しんたく)とは、財産を信頼できる第三者に預けて管理してもらう仕組みのことです。
取引所が倒産しても、信託されたお金は取引所の財産とは別のものとして扱われます。
②暗号資産はネットから切り離して保管されている
預かった暗号資産は、インターネットから切り離した「コールドウォレット」などで管理するよう決められています。
ネットにつながっていないので、外部からのハッキングで盗まれにくい保管方法です。
反対に、ネットにつながった保管場所は「ホットウォレット」と呼ばれます。
送金などですぐ使う分だけをホットウォレットに置き、残りは金庫にしまっておくイメージです。
暗号資産の保管ルール
- 原則はコールドウォレットなど安全性の高い方法で保管
- ネットにつながった保管は、預かり資産全体の5%まで
- その5%分は、同じ種類・同じ量の暗号資産を別に用意しておく
つまり、ネット上で盗まれても埋め合わせができるよう、二重に備えているわけです。
③外部の監査を定期的に受けている
分別管理がきちんとできているかは、公認会計士や監査法人が定期的にチェックしています。
取引所が「分けています」と言うだけでなく、第三者の目で確かめられているということです。
3つの仕組みのまとめ
- 日本円:信託銀行などに預ける
- 暗号資産:ネットから切り離して保管する
- チェック:会計士や監査法人が定期的に確認する
仕組みが三重になっているので、1つが崩れても守られやすくなっています。
実際に取引所が破綻したときの例

仕組みが本当に働くのかは、過去の例を見るとイメージしやすいでしょう。
ここでは、利用者の資産が実際に返ってきた2つのケースを紹介します。
①FTX Japan:約3か月後に出金が再開された
2022年11月、海外の大手取引所FTXが経営破綻しました。
日本法人のFTX Japanも出金が止まり、利用者は資産を引き出せなくなりました。
ですが、日本法人は利用者の資産を分別管理していたため、2023年2月に出金が再開されています。
親会社が破綻しても、守られていた資産は返ってきた例です。
報道によると、FTX Japanは預かっていた量を上回る暗号資産をコールドウォレットで保管していました。
分別管理が形だけでなく、実際に機能したことがわかりますね。
②2018年の流出事件:日本円で補償された
2018年1月、コインチェックでは暗号資産のNEM(ネム)が外部に流出する事件が起きました。
このとき、コインチェックはNEMを持っていた利用者に対し、日本円で補償しています。
その後、コインチェックはマネックスグループの一員となり、管理体制を立て直しました。
分別管理やコールドウォレットのルールが厳しくなったのも、この事件がきっかけの1つです。
2つの例からわかること
- 日本のルールで分けて管理された資産は返ってきた
- 返ってくるまでには一定の時間がかかった
- 事件をきっかけに、ルールはより厳しくなっている
それでも残る3つのリスク

ここまでの仕組みで、資産がゼロになる可能性はかなり小さくなっています。
ただし、分別管理は「預けたものを返す」ための仕組みです。
何もかもが守られるわけではありません。
①預金保険の対象ではない
銀行の預金は、銀行が潰れても元本1,000万円とその利息までは国の制度で守られます。
一方で、暗号資産や取引所に預けた日本円は、この預金保険の対象ではありません。
守ってくれるのはあくまで分別管理の仕組みです。
②返ってくるまで時間がかかる
FTX Japanの例でも、出金できるまでに約3か月かかりました。
そのあいだは売ることも引き出すこともできません。
すぐに使う予定のお金を、取引所に置いたままにしないことが大切です。
また、手続きの途中で一部が返ってこないケースもあり得ます。
「必ず全額かえってくる」とは考えないほうが安心です。
③値下がりは守られない
分別管理で守られるのは、預けた資産そのものです。
暗号資産の価格が下がって減った分は、どの制度でも補償されません。
取引所の倒産よりも、値動きのほうが身近なリスクだと考えておきましょう。
自分でできる3つの対策

仕組みに任せるだけでなく、自分でもリスクを小さくできます。
どれも難しくないので、口座を作るタイミングで一緒に済ませておきましょう。
①金融庁に登録された取引所を使う
ここまで説明した仕組みは、金融庁に登録された国内の取引所だけに当てはまります。
海外の取引所は、日本のルールで守られません。
取引所を選ぶときは、金融庁のホームページにある登録業者の一覧で確認してください。
SNSで見かける「高利回り」の海外サービスは、特に注意が必要です。
②二段階認証を設定する
二段階認証(ログインのたびにスマホに届く確認コードを入れる仕組み)は、口座を作ったらすぐに設定しておきましょう。
パスワードが漏れても、第三者がログインしにくくなります。
取引所の倒産よりも、自分のアカウントが乗っ取られるほうが起こりやすいリスクです。
設定は数分で終わるので、後回しにしないのがオススメですよ。
③使う分だけ入れておく
取引所には、「これから使う分」だけを入れておくのが安心です。
入れておく金額の目安
- 生活費や近いうちに使うお金は入れない
- なくなっても生活に困らない金額にとどめる
- 最初は数百円〜数千円から試す
口座開設がまだの人は、次の記事で手順をまとめています。
よくある質問(FAQ)

Q1. コインチェックはいくらから始められますか?
コインチェックであれば、500円から暗号資産を購入できます。
口座開設は無料なので、まずは少額で仕組みに慣れてみるのがオススメです。
少額であれば、リスクを小さく抑えられます。
Q2. 複数の取引所に分けたほうが安全ですか?
1社に集中させないという考え方はあります。
ただ、口座が増えるほどパスワードの管理が大変になります。
少額のうちは1社で十分です。
金額が大きくなってから増やすのがオススメです。
Q3. 取引所に置くより、自分のウォレットのほうが安全ですか?
取引所の倒産リスクからは離れられますが、そのぶん管理はすべて自己責任になります。
復元用のフレーズをなくすと、誰にも取り戻せません。
少額のうちは、取引所で管理するほうが手間もミスも少なく済みます。
ウォレットの種類や選び方は、別の記事でまとめています。
まとめ

国内の登録業者であれば、取引所が潰れても、預けた資産がすぐにゼロになるわけではありません。
日本円は信託され、暗号資産はネットから切り離して保管され、倒産しても優先して返してもらえる仕組みがあります。
一方で、預金保険の対象外であることや、返ってくるまで時間がかかること、値下がりは守られないことは覚えておきましょう。
仕組みを知っておけば、いざとなった時も安心です。
コインチェックであれば500円から購入できるので、まずは試してみてはいかがでしょうか。
焦らず、気楽に一歩を踏み出してみてください。

